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PWCのアンカリングについて学ぶ前に、まずはアンカーの種類をとその特性について把握しよう。
下に並べたものが、PWCのアンカリングによく使われるアンカー形状だ。大別すると上二つが食い込みタイプ、下二つが重量タイプに分けられる。
重量タイプは、アンカー自体の重量で効かせるもの。当然、重い物の方が効きは良くなるが、その分、取り扱いが困難になる。PWCで良く使われる重量はマッシュルームなら3〜5kg程度のもの。
対して食い込みタイプは、アンカーのツメ(フルーク)を砂に差したり、岩などに引っかけて効かせるもの。ツメが十分に食い込めばアンカー重量以上の把駐力(アンカーの抵抗力)を発揮してくれる。PWCに使われるのは比較的小型な物が多く、5kg以下が大半。なお、食い込みタイプの代表的なものには下記以外にもダンフォース型(別名イカアンカー)もあり、海底に食い込むことで、高い把駐力を発揮する。
(全てHOTWATER記事参照) |
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●ハードコートアンカー(PVCアンカー)
食い込みタイプ・4.5kg
ツメを海底に食い込ませて使用する。全体にコーティングがされており、角もなく丸くまっているため運搬しやすく、水中で踏みつけても怪我をしにくい。
●フォールディングアンカー
食い込みタイプ・4.0kg
ロックを外すと4枚のツメが大きく開くため、海底に食い込ませやすく岩などにも引っかけやすい。収納時はコンパクトに折り畳めるので運搬が安易。
●タコアンカー(マッシュルームアンカー)
重量タイプ・4.5kg
マッシュルームアンカーは重量で効かせるタイプの代表格。プラスチック製やPVコートなど運搬時に暴れても船体を傷つけにくい仕様になっているものが多い。
(相場 \5,000〜)
●サンドバッグアンカー
重量タイプ
袋にゲレンデの砂や岩を入れ、その重量で効かせるアンカー。運搬時は袋だけになるため、扱いやすさは抜群。弱点は取り出してすぐに使えない事だろう。
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(左)のびのびアンカーロープ
(右)スパンエステル係船ロープ |
アンカーロープは伸縮式がトレンド!?
アンカーロープなんてどれを使っても同じじゃないの?と思うかもしれないが、実はアンカーロープの長さや種類でアンカーの効きが変わってくるのだ。詳しくは後述するが、アンカーを効かせるには水深の3倍以上のロープの長さが必要な事を覚えて欲しい。
まずは一般的なロープ。比較的に安価で計り売りをしている場合もあり、自分に必要な長さを用意出来る。水深が深ければ長く、長過ぎれば短くして使えるし、係船時や牽引時、何かを縛る時にも使用出来るため汎用性が高い。伸縮式のアンカーロープは長さが決まっているので使用可能な水深が限定される。といっても通常PWCをアンカリングするために必要な長さは十分にある。ロープ自体が伸縮するため、例えば波や風で瞬間的に船体が押されても、ロープ自体が伸びて引っ張る力を吸収してくれるので、アンカーが安定しやすい=流されにくいメリットがある。
●レスキューアンカーロープ タイトジャパン製
定番人気の伸縮式アンカーロープ。
●のびのびアンカーロープ
驚異の耐久性を発揮!人気沸騰中。
●スパンエステル係船ロープ
一般的ナイロン材係船・アンカーロープ。
ロープ径や長さが選べる計り売り。
●モヤイロープ
アンカー用だけでなく係船や曳船など何にでも使える万能選手。白色が一般的だが紛失や間違いを防止するためにカラーロープを使用するのも有効。
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